HOME > 不登校について

不登校について

不登校について

■不登校の定義

不登校について

まず、不登校とは具体的にどのような状態を指すのでしょうか。

文部科学省では不登校について、「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しない、あるいはしたくともできない状況にあるため年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」と定義しています。

■不登児童生徒の数

<小学生>
文部科学省のデータによると、統計開始の平成3年度から増加し、平成13年度にピーク(26,511人/全児童の0.36%)をむかえ、以降は減少傾向にあり、 平成24年度は21,243人(全児童の0.31%)となっています。
<中学生>
小学生と同様に、平成3年度から増加傾向にあり、平成13年度にピーク(112,211人/全生徒の2.81%)、平成24年度では91,446人(全生徒の2.56%)となっています。
この数字は、およそ40人に1人、クラスに約1人という計算になります。
<高校生>
高校生では平成16年度から統計が行われています。
統計開始以降、平成21年度までは減少していましたが、ここ4年ほどはわずかずつ増加しており、平成24年度では57,664人(全生徒の1.72%)となっています。

これらの統計をご覧いただき、全国には多くの不登校の児童生徒がいると感じられたかと思います。

ただし、これらは文部科学省で定義された不登校児童生徒の数ですので、「30日以上欠席をしていなくても、行ったり行かなかったりを繰り返す子」や「フリースクール・適応指導教室などで出席をとってもらい教室には行っていない子」などについては除外されています。

一説では2倍程度の予備軍が隠れているとも言われています。

■不登校の原因

不登校の原因は、お子様自身の心の問題から、置かれている状況などさまざまです。

①原因不明の体調不良
原因不明の体調不良

ひだまりを利用しているお子様の中で一番多いのがこのケースです。

明確な理由がないのに、なぜか学校へ行こうとすると熱が出たりお腹が痛くなったりします。

検査などをしても体に異常は見つからないため、周りからは「ただの怠け」と思われ、余計につらい思いをします。
本人はつらいので、無理に登校を強要することは逆効果であり、こういった症状に対するご家族のご理解が必要です。

一緒に話し合いながら、今出来ることを一つ一つ実行して、再登校に備えておくことが大切です。

私どもの経験では、このケースは復学率が高い事も特徴です。

①対人恐怖
対人恐怖

「教室に入るのが怖い」「人と会うのが怖い」という理由で学校に行けなくなるケースです。

いじめ等の体験から人間不信に陥ってしまったり、対人恐怖に繋がってしまったという例をよく見受けます。

この場合、克服をするのに時間がかかることが多いですが、長い目で見守り、対話をしていくことが大切です。
心を休めてエネルギーを貯める時期が必要だとひだまりは考えています。

このケースは進学などの変化があった時に急激に良くなることが多くあります。

①友人関係をめぐる問題
友人関係をめぐる問題

学校に行っても友達を作る事ができず、孤独に耐えられず不登校になるケースがあります。

他の子が楽しそうにしている中、一人でいるさみしさは耐えがたいものがあります。

また、仲が良い子たちとのトラブルで気まずくなり学校にいけなくなるということもあります。

④家庭環境
家庭環境

家庭の生活環境に急激な変化があった場合やご両親からの強い期待がある場合、それらのことがプレッシャーとなり不登校の原因になることがあります。

ストレスが溜まりすぎたり、自分自身の価値が認められなくなるような環境に置かれると積極性が極度に落ち込み不登校になりやすいと言われています。

⑤学業の不振
学業の不振

学校に行きたくても、授業がわからないし、勉強が出来ないと周りから思われるのが辛い。
ということで学校から足が遠のいてしまうことがあります。

その結果、ますます学校に行きづらくなりそまま不登校になってしまうケースがあります。

授業がわからなくてつまらないからというのもありますが、それ以上に他の子達の目が気になってしまう。というのが根本原因のようです。

⑥発達障害
発達障害

発達障害等で周囲の子と違う振る舞いのために孤立してしまい、学校に行きづらくなることがあります。

ひだまりを利用するお子様の中には、「本当は学校に行きたいのに」と言う子もいます。

難しい問題ですが、お子様にとってどういう人生が幸せなのか?ということを考えて、一番合った教育方針を探っていくことが大切です。

⑦意図的な拒否
意図的な拒否

怠けというわけではなく、心底「学校に行く意味があるのか?」という考えに至り、自分の意思で学校に行かなくなるというケースがあります。

このようなお子さんは、頭の良い例が多く、話していても理にかなっている事が多いという印象です。

しかし、やはり知識として物事の道理を知っていても、実際に生きていくとはどういうことかを現実の体験として身につけているわけではありません。

多少の理不尽に耐えうる、強い気持ちを持つ必要があるように思います。
大人の都合抜きで、正面を向き合いながら話し合うことが重要になります。

⑧いじめ
いじめ

学校で、無視や暴力などのいじめを受けたことが原因となることが多々あります。

いじめは発見や解決に時間がかかるケースが多いため、その間に心の傷がさらに深くなっていくことが多々あります。

ですので、いじめが発覚した時点で被害者を「避難」させ、「心のケア」をすることが最優先となります。

いじめに立ち向かうことで解決出来ることもあるかもしれませんが、逆に心の傷を深めることにもなりかねません。

「心のケア」の観点から観ると、学校ばかりにとらわれず、新しい「居場所」を模索していくことも重要であるとひだまりは考えています。

不登校による影響

一般的に不登校による影響として

  • ①学力の低下
  • ②社会性を身につけることが難しくなる
  • ③進学の幅が狭まる
  • ④生活リズムの乱れ
  • ⑤精神的な不安

などが挙げられています

①学力の低下

不登校の間、ほとんどのお子様は、自制して計画的に学習をしていくことは難しく、また独学そのものの難しさから学力が低下してしまう傾向があります。

また、勉強が遅れてしまっているという不安感からゲームなどに救いを求めて生活習慣が崩れていくことも多々あります。

②社会性を身につけることが難しくなる

学校に行かない分、ほかの子たちとのコミュニケーションの機会を得ることができずに、人とのやり取りの仕方や距離の取り方、協力の仕方などの社会性を身につけることが難しくなります。

③進学の幅が狭まる

高校進学や大学の推薦などではほとんどの場合、成績や出席日数が記載されている「調査書」というものが必要になります。

受験時に欠席率が高かったり、成績が付いていなかったりすると、そこで受験資格を失う学校が少なくありません。

そのため、進学に関しての選択の幅が狭くなってしまうということが言えます。

④生活リズムの乱れ

昼夜逆転、偏食など生活リズムが崩れやすくなります。

その結果、健康を害してしまったり、鬱などの心の疾患まで発展してしまうこともあります。

⑤精神的な不安

このままで自分の将来はどうなってしまうのか?などの不安が常に付きまといます。
この不安が高じて㈬同様に心の疾患まで発展してしまうこともあります

ひだまりではこれらの、諸問題に対してつねに正面から向き合い対応しております。

学習面においてはもちろんのことコミュニケーションや心の悩みなどのお話をしてもらい少しでも元気が出るようにフォローさせていただいております。

昼夜逆転などの生活習慣にかんしてもご家族とともに話しあいつつ改善を図っていきます。

ひだまりの役割・考え方

ひだまりの役割・考え方

ひだまりは「学習を通じて自信を持ち、再登校のときまでの準備をする」ということを一つの目標としています。

学習は、「やれば出来る」ことを実感できる、一つの方法でもあります。

「やれば出来る」という自信は、将来自分の力で生きていくことに必ず繋がっていきます。

早く登校させたいと思われるかと思いますが、まずは出来ることを一つずつ積み重ねて将来に備えていくことが大切です。
そういったお手伝いを精一杯させていただきます。

ページトップへ